新宿三丁目にある老舗寄席、末廣亭。
末廣亭は都内で唯一残っている木造建築の寄席で、新宿三丁目の名物となっています。
ここに毎週土曜日の夜になると大勢の人たちが行列を作ります。
そのお目当ては、夜の9:30に開演する「深夜寄席」です。
通常の寄席も毎日行われていて、通常の寄席が終わった後に土曜日のみ「深夜寄席」が行われています。
お得な料金で楽しめる! その理由は…
芝居小屋などの出入口は「木戸」と呼ばれていて、そこで支払う入場料を「木戸銭」と呼びます。
末廣亭の通常寄席の木戸銭は一般が3000円です。
それに対して、深夜寄席の木戸銭はワンコイン、なんと500円です。 ※2017年5月の公演から1000円に改定されました
確かに通常の寄席と違って一日中演芸が楽しめるわけではありませんが、4人の噺家さんや講談師さんが出演してこの料金なんです。
それには理由があります。
この深夜寄席に登場する噺家さんたちは「二つ目」と呼ばれる身分の方たちです。
テレビなどでよく見かける噺家さんたちはその一つ上の身分である「真打」になります。
つまり、真打に昇進する前の若手の噺家さんたちの経験の場として行われているのが深夜寄席というわけです。
アットホームな雰囲気のなかで行われる寄席
写真では伝えられませんが、深夜寄席の開始1時間前には行列ができていて、開場する頃には大変な行列になっています。
行列の整理やチケット販売は出演者の方たちが自ら行います。
それを終えて急いで準備をして舞台に上がります。
会場は超満員、この日も立ち見が出るほど盛況でした。
客席には昔からの落語ファンと思しき中高年の男性から若いカップルまで、本当に幅広い年齢の方が見受けられますが、なんとも不思議なアットホームな雰囲気があるんです。
通常の寄席のゆる~くて、ま~ったりした空気とは違って、人が多い分すごく熱気はあるんですが、若手の出演者の方たちを見守る温かさのようなものがあるように感じます。
終始笑いっぱなし、リピーターが多いことも納得
この日の出演者は、出演順に
①春風亭吉好さん(落語)
②桂鷹治さん(落語)
③神田松之丞さん(講談)
④三遊亭小笑さん(落語)
でした。
感想はというと…
本当に楽しくて笑いっぱなしで、リピート即決定でした。
まったくタイプの違う方ばかりでしたが、それぞれの持ち味があって十分楽しめました。
初めての深夜寄席が楽しめなくても、もう一度トライを
もし深夜寄席に行って、全然楽しめなかったとしても、深夜寄席がつまらないと決めつけないでください。
好みは人それぞれです。
その日の出演者の方が自分の好みに合わなかったのであれば、他の方が出演する日を選んでもう一度行ってみることをおススメします。
きっと、自分の好みにピッタリの落語や講談を聞ける日がくると思います。
それもお手頃な値段で見られる深夜寄席の楽しみ方のひとつではないでしょうか。
深夜寄席の出演者は末廣亭のHPで確認できます。
一週間の疲れを笑って吹き飛ばしたいときには、土曜の夜に末廣亭へどうぞ。